平成14年度 調査研究3(教育相談)

本年度の研究の概要は,次のとおりです。


 研 究 主 題 
  
不適応行動を示す児童生徒の理解と支援の進め方に関する研究
 
 
1 研究の目的
 今,学校では,不登校やいじめ問題をはじめ,学級崩壊や高校生の中途退学など,様々な学校不適応の問題が生じている。そして,教師からは,「子どもの心が見えなくなった」「集団の場になじめない子どもが増えた」等,児童生徒が変化していることへのとまどいの声が聞かれる。児童生徒の心の問題の多様化,複雑化が進んでおり,教育相談の重要性はますます高まっている。
 このような状況のなか,学校では教育相談の充実を図るため,教職員間の協力体制をつくるだけでなく,文部科学省が実施している「スクールカウンセラー活用調査研究」事業によって配置が進められているスクールカウンセラーと連携する体制を整えたり,学校外の相談機関と連携したりしている。
 スクールカウンセラーや学校外の相談機関と連携する趣旨は,学校という集団の場において個を生かし,伸ばすことに専門性を発揮する教師と心の問題について高度に専門的な知識・経験を有する専門家との連携によって,児童生徒へのよりよい支援ができるようにすることにある。したがって,専門家との連携によって教師の学校教育相談における役割が低下するわけではない。
 今後,スクールカウンセラーの配置がさらに進んだり,専門機関との連携がいっそう図られるようになったりしたとしても,日常的に児童生徒に接しているのは教師である。やはり,教師が中心となって児童生徒のさまざまな相談に応じること,不適応行動の予兆となるサインに気付き,早期に適切な対応をすること,不適応行動を通じて周囲に助けを求めている児童生徒に的確な支援をすることなどが今後ますます大切になってくると考える。こうした役割を果たしていくうえで,教師一人一人が教育相談の基盤をなす児童生徒理解の力を身に付けることは不可欠である。確かな児童生徒理解があってこそ,児童生徒やその保護者と信頼関係を築くことができ,適切な支援が行えるからである。
 以上のような考えから,本年度は,特別な配慮や個別のかかわりを必要とする,不適応行動を示す児童生徒の理解と支援の進め方を明らかにするために研究に取り組むことにした。
 
2 研究の方法
○不適応行動を示す児童生徒の理解についての基本的な考え方を「不適応行動そのもののとらえ方」や「理解」の観点から文献研究する。また,児童生徒の心身の諸側面や児童生徒を取り巻く環境条件を理解するために必要な「観察法」「面接法」等の方法や理解の基本的な進め方についても,教師が学校で実践するという観点から文献研究する。
○文献研究の成果を指針に校種ごとに対象児童を決めて実践に取り組み,理解と支援の進め方の具体事例として提案する。また,実践過程で明らかになった理解と支援の進め方に関する知見についても併せて提案する。